02.25Sat

SleepInside 独占インタビュー

今回の大久保HOTSHOT PICK UP Artistは、4月29日に大久保HOTSHOTのブッキングライブ、
【タイトル未詳 Ver01.3】に出演するバンド、『SleepInside』です!
作曲へのこだわりや、ライブの裏側など、独占インタビューを行いました。

 

SleepInside
Vo.Gt イマイコウキ
Gt. Kosuke Sakamoto
Ba. モチヅキ
Dr. 鹿島 耀(本インタビューは欠席)

 

ーーまず、SleepInsideはどのように活動を開始したんでしょうか

イマイコウキ(以下、イマイ):2018年の夏ぐらいに、僕が一人で宅録バンドとしてスタートして、SoundCloudで曲を公開していました。その後、2019年末から3回ほど現在のメンバーとは違うメンツで3回ほどライブをしたんですけど、それもすぐ解散という形になっていました。その後、2023年の1月から現在のメンバーでライブ活動を始めました。GtのSakamotoは2019年12月のライブから参加していますね。

ーーGtのSakamotoさんとはそのライブ以前から交流があったのですね。

イマイ:はい。SleepInsideとして僕が活動を始めた頃には、既に曲を作っている同士の友達で、もしライブをやるならGtのKosuke Sakamoto(以下Sakamoto)に弾いてほしいよね、といった話はずっとしていました。

ーーなるほど。影響を受けたアーティストなどはいますか?

イマイ:まず、自分の根底にあるバンドとしてTHE NOVEMBERSがいますね。日本語で音楽をやってるってことが僕の中で大きくて。それって日本人としてとても直感的な音楽のやり方だと思うし、普段の思想とかが乗ってくると思うし。そこから派生してsyrup 16gとかART-SCHOOLとかからも影響を受けてると思います。その上の世代のポストパンクとか、ジョン・ディヴィジョンとかTHE Smithsに影響を受けてるバンドたちですね。それから、ガレージロックリバイバルが世界的にあって、ARCTIC MONKEYSとかいると思うんですけど、それに影響をうけてる日本の下北沢のバンドですね。僕、Veni Vidi Viciousがめちゃくちゃ好きなんです。歌詞の態度とか。映画とかも邦画の、教訓映画ではないスタンスとか、事実を淡々と並べていくって感じのが好きで、今挙げたバンドは歌詞と音楽のバランスが取れてるというか、音として聞いても情景としても良いというか。そういうところに影響を受けてますね。自分が書いてる曲もそういう系譜の中にいると思ってます。今のメインストリームでもないので、盛り上げたいかなとも思っていますね。

ーー先ほど、宅録バンドで始まったと伺いましたが、音源はイマイさん一人で作成しているのですか?

イマイ:そうですね。今までの音源は全部僕一人で作っています。ですが、ライブをするバンドメンバーも集まったので、これからみんなでレコーディングできたらいいな、と思っています。それこそさっきのTHE NOVEMBERSのこともあるので、トリプルタイムスタジオで録れるように活動していきます。これ絶対書いてください。

ーー曲を作る上での基軸みたいなものはありますか?

イマイ:一度、あるアーティストの人に自分の曲を聞いてもらう機会があって、その時に「歌詞が全然分からない。読み解けない。歌詞に意味がないんじゃないか。」って言われたことがあって、それまでは曲はいいメロディといい感じの歌詞で、って作ってたんですけど、それ以降、どんなにいいメロディでも歌詞が良くないと良くないと、メロディにも意味が無くなってしまうというか、インストやればいいじゃんって思う様になって、そこからかなり歌詞を意識するようになりましたね。メロディとかフレーズ自体はすぐ書けるんですけど、歌詞にすごい時間をかけてますね。自分の書きたい歌詞がメロディにうまく乗らない時が多いんです。歌詞に対して嘘くさいメロディだなと思ったり。 そう思わずに聞けるものというか、歌詞が乗った上で聞いて、初めていいメロディだなって言っていいと考えているので、歌詞が乗ってメロディの意味合いが出ると思ってます。
Sakamoto:こういうのって、そういう個人的な振る舞いがすごく大事だと思ってるので、これはイマイの大きな能力ですね。
モチヅキ:それでいうと、自分は歌詞をあんまり聞くタイプじゃないというか、歌詞を読み解くタイプではなくて、ボーカルも楽器の一つとして、音として聞いてるタイプなんですけど、その聞き方でもイマイの書く歌詞やボーカルはやっぱりかっこいいなって思ってますね。
イマイ:うわ、嬉しい
モチヅキ:人の声も結構複雑だから、言葉選びとかアクセントとかで結構楽器みたいに変わってくる部分があると思うので、それに違和感を感じないのはすごいなと思ってます。
イマイ:いいこと言うじゃん!それで歌詞書くの大変なんだよ。いい歌詞だけならぶっちゃけ簡単なんだけど、この発話というか発声上で”え”の母音じゃないと歌いづらいみたいな瞬間がめちゃくちゃあったりとかして、サビとかで”う”の母音で始まると違和感しかない時とか、今「ホルガ」って曲があって、サビ頭のアクセントが全部”え”の母音で始まってるんですよね。そういうことを考えてると、この歌詞ボツだなみたいなことが多くありますね。この書き方のほうがうまく伝わるのになと思いながらボツにしている歌詞が多いですね。他の歌も文字に起こしてみるとわかると思います。

ーー実際に演奏するメンバーが加わったことで、生じた変化などはありますか?

イマイ:そうですね、元は自分が書いたフレーズだったりが、実際に自分ではないギタリストだったりベーシストが弾くことによって、実際に出てくるその人のクセだったりニュアンスだったり、そういったものが乗ってきて、あぁこういう風に変化するんだなって改めて考え直すタイミングがあったりして、曲中でもっと目立つ所があってもいいのかな 、みたいに、一人で曲を作る中でもメンバーの雰囲気だったり、そういうのを頭に入れながらフレーズを考えたりするようになりましたね。最近SoundCloudに上げている曲は「これはみんなでやったらかっこいいだろうな」みたいな事は意識していますね。あとはシンプルに技術力、演奏力のあるメンバーが集まっていると思うので、ライブでそのメンバーの技量が出しやすいような曲を作りたいなと考えています。今は曲によって結構見せ場の偏りがあるので、もっとみんなのアビリティを満遍なく出せるようになれればいいな、と。ですが、まだこのメンバーでのライブが少ないので、それはこれからもっと面白く変化していくだろうな、と思っています。一番最近作った『治らない病気』は、ライブを経て作った曲なので、ライブで聞いてもらえると、よりフロントマンとしてメンバーを見れているんだなと感じられると思います。
モチヅキ:最近の曲はやっぱりバンドセットとしての曲、4人の役割がわかる曲になっていると思います。ライブ映えするというか。
イマイ:確かに。スタジオ練習に入って見ていて、「ここ暇そうだな」、「ここはもっと弾かせていいんだな」という気づきが多くて、やっぱりヘッドホンの中で鳴ってるのと部屋で(演奏して)鳴ってるのは意味合いが全然違うんだな、と感じましたね。だけどそれは、自分たちの音源が、ライブを主体でやっているバンドとはいい意味で違うポイントだなと思っています。

ーーライブも拝見させて頂きましたが、なんとなくわかります。すごく考えて作っている曲をベースして、ライブ感のある演奏をしているな、というか。結構テクニカルな部分と、ナマモノっぽい部分のバランスが取れているような。

モチヅキ:SakamotoとDrの鹿島 耀(以下、耀)が結構セッションの経験があるプレイヤーなので、それが大きいのかもしれないです。
イマイ:それでいうと、Sakamotoが一番ライブの経験がダントツで多くて、逆に僕はこの前のライブ(2023年1月5日)で5回目くらいです。コピバンを1回やったことあるかな、くらいで。

ーー宅録でイマイさんが音源を作った後、ライブで演奏するまでに他のメンバーが曲作りに関わることはあるんですか?

Sakamoto:基本的には、新曲を合わせようってなったら、みんなでイマイの音源を聞いて、コピーしてくる訳なんですけど、それを必ずしも同じようには演奏していなくて。例えばライブ用にイントロを付け加えたりとか、アウトロに若干音源とは違うパートを入れたり、終わり方を変えたり、セトリとかも考慮してそのあたりを変えてますね。こういうのは1回スタジオで入ってみてから相談する感じですね。どう変えるかとかは、ほぼその場(スタジオ)で決めてますね。
イマイ:大体、雰囲気が決まったらまず耀にドラム叩いてもらって、「今入って!」とか。イントロとアウトロはそうやってアレンジしてますが、曲に入るとほぼ音源のままやってますね。例えばギターソロとかは、Sakamotoがもっと(技巧的に)弾けたりするんですけど、自分がメロディ的に作ってるソロだったりするので、そこはアレンジはせずにやってます。その代わりアウトロでSakamotoがもっと目立とうか、ってなるとモチヅキがそれに合わせて動いたり、耀がもっと細かく刻んでいったりとか。イントロだと『飛べない天使の羽を切った』のストロークじゃない部分、つなぎとかをみんなで話しながらライブ用に変えてますね。
モチヅキ:音源もらって、スコアとかはもらってなくて、耳コピでスタジオに入るんですけど、根本の耳コピはちゃんとして、スタジオ入って合わせてみて気持ちが乗る部分がわかってきて変えてみる、みたいにやってますね。それで結局音源と同じ様なフレーズだったり弾き方だったりに戻る場合もあるし。

ーー実際にライブで演奏するのはその時に決まったアレンジをそのまま?

Sakamoto:メロディ的に重要な部分とか必要な感じのギターフレーズとかは、基本的に音源のコピーのまま弾くって感じなんですけど、『裸のランチ』とか『温かい弾倉』とかはライブアレンジだと僕を目立たせるための曲で、そういう曲はアウトロでアドリブでギターソロを長尺で弾きまくったりしてますね。こういう部分はライブごとに毎回違うフレーズを弾いてます。

ーーそういうアレンジだったりは、音源を作ってるイマイさんはどう捉えていますか?

イマイ:これはSakamotoには関わり始めた時からずっと言っているんですけど、自分がいいボーカルセクションとかメロディを作るから、そこに持てる限りかっこいいギターを入れてくれって頼んでいて。バンドにとってかっこいいギターソロとか、フレーズができるメンバーがいることってバンドにとって命題というか、するべきところだと思っているので、Sakamotoのアドリブはバンドの色だけじゃない部分を見せれるというか、そういう方が面白いのかなと思っています。ライブでどれくら
い長くギターソロが続くかの主導権は耀が握っていますね。彼が周りを見ながら気持ちのいい回しをしてくれていいよと。自分とかモチヅキはそれに着いていったり、合いの手的にフレーズを入れています。

ーー先ほど伺った、セッションの経験が多いメンバーが主体になっているんですね。

イマイ:結構うちのバンド、実はドラムの耀がキーマンで、彼が優秀すぎるんです。言ったらやってくれるというか。さっきのイントロのアレンジングとかもそうですけど、彼の存在は大きいですね。

ーーそういったメンバーを迎えて、これからの音楽性の変わり方などが大きそうですね。

イマイ:メンバーを迎えたこともありますが、それ以外に僕自身での変化も大きくて、歌詞は一人で書くものだと思っていて、だけどライブは4人でやるものなので、これからレコーディングをするのに向けて作りたいなとは思っています。だけど、宅録の音源は出したいと思っていて、例えば、マック・デマルコみたいにデモ版の音源というか、スタジオに入る前のアルバムを出して、バンドとしてレコーディングしたものも出して、みたいなことをしたくて。宅録の音源を作るということに僕個人としてとてもプライドを持っていて、逆にライブはその1日限りのライブとして尖ったというか、いい演奏をしたいので緊張感を持って望んでいて、その4人でやるのがいつでも聞けるものだと思ってほしくないんです。音源のほうでSakamotoに長いギターソロを弾いてほしいかというと全然そうは思わないんです。そういうのはライブを見にきた時に聞けるもので、他のメンバーの演奏も合わせてライブではそういうところに熱を持っていけたらなと思っています。
モチヅキ:正直、イマイの私生活をすごく知っているわけではないけど、彼はずっと何かを作り続けているタイプの人間なんですよね。
イマイ:実際そう。家にいる時はずっとギター触って録音して、移動中とかもずっと歌詞考えて、ずっと曲のことしか考えてない。
モチヅキ:そういう意味では、メンバーがそれぞれ別のベクトルで個性が出てるかなと思います。
曲作りまくる人と、アレンジとかソロ弾きまくる人と、セッションが得意で着いていける人、みたいな。

ーーなるほど。アレンジの話でいうと、曲のイントロがどれも素敵だなと思っていたのですが、ライブではそのようにしているんですね。

イマイ:そのことで言うと、僕は曲を作る順番として詩先とか曲先とかあると思うんですけど、イントロから作っています。これは多分、宅録バンドとして作ってるからだと思います。全部のセクションを頭から作るので。1コーラスのバッキングを作ってから歌詞とメロディを作る流れでやっています。だからボツになってる曲はイントロがキャッチーじゃないな、とかもあるので、そういう影響かもしれないです。

ーー音源を聞いた上で、やはりこれからのライブが楽しみですね。

イマイ:4/29楽しみにしててください!

以上、SleepInsideインタビューでした。
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https://soundcloud.com/user-23767472
https://linkcloud.mu/e7619ab7